ERP
1. このキーワードの位置付け
ERPは、販売、購買、生産、在庫、会計などの企業活動を統合管理する基幹システムである。技術士答案では、全社情報統合、業務標準化、内部統制、SCMやDXの基盤として使いやすい。
2. 定義・原理
ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業資源を統合的に計画・管理する仕組みである。共通マスターデータと標準業務プロセスにより、部門間で同じ情報を共有し、経営判断や業務改善につなげる。
3. 特徴3つ
- 販売、購買、生産、在庫、会計を統合する
- 業務標準化とマスターデータ管理を前提にする
- SCMやDXの情報基盤として機能する
4. 技術士答案で使うときの論点
答案では、部門ごとに別システムやExcelで管理され、在庫、納期、原価、受注情報が一致しない問題を示す。対策としてERPを導入し、標準業務、マスタ管理、KPI管理を整備する。
5. 実務上の問題点3つ
- 現状業務への過度な個別対応により標準化が進まない
- マスターデータ不備により在庫や原価が正しく把握できない
- 導入目的が不明確で、現場定着や効果測定が不足する
6. 対策・改善策
- As-Is/To-Beを整理し、標準業務への適合を優先する
- 品目、取引先、BOM、在庫ロケーションなどのマスタ責任者を定める
- 段階導入により業務影響を抑える
- KPIで納期、在庫、原価、処理時間を評価する
- MES、WMS、TMSとの役割分担を明確にする
7. 応用例・企業事例
受注後に在庫や納期が確認できず回答が遅れる場合、ERPで受注、在庫、生産計画を統合する。これにより、営業、生産、購買が同じ情報を見ながら納期回答や資材手配を行える。
8. 今後の展望
クラウドERPやAPI連携により、ERPは社内基幹システムから企業間連携の基盤へ広がる。今後は、データガバナンス、サイバーセキュリティ、現場システムとの連携が重要になる。
9. 600字答案例
企業活動が複雑化する中で、販売、購買、生産、在庫、会計が別々に管理されると、納期回答の遅れ、在庫差異、原価把握の遅れが発生する。経営工学の観点からは、ERPにより全社情報を統合し、業務標準化と意思決定の迅速化を図る必要がある。課題は、第一に部門別システムによる情報分断、第二にマスターデータ不備、第三に現場定着不足である。対策として、As-Is/To-Beを整理し、標準業務プロセスへ適合させる。品目、BOM、取引先、在庫ロケーションの責任者を定め、マスタ品質を管理する。さらにERPをMES、WMS、TMSと連携し、計画と実績をつなげる。リスクは、過度なカスタマイズ、導入負荷、データ移行ミスであるため、段階導入とKPIレビューを行う。技術者は、ERPを単なるシステム導入ではなく、SCMとDXを支える経営基盤として設計する必要がある。